緩やかに進行する狂気【映画】ミッドサマー【見所と感想】

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2020年

ここ1ヶ月近く映画を見に行っていないので、なにか良さそうな映画はないか?と聞いたところ

ミッドサマーが良いらしい

というフォロワーさんからの話で見に行ってきました。素直。
映画館の紹介ページのさわりだけを見た状態で行ってます。

映画を見て考察したい人はハマる映画だと思います。

ただ、R指定されているだけにエログロがちょっとあるので、耐性ない人は見ないほうが良いかもしれません。

ゆるゆる狂気ライフ

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ミッドサマーを軽く紹介

ミッドサマーはアリ・アスター監督の作品だよ!
なんか有名らしい(雑)

2019年にアメリカで公開され、2020年2月21日より日本で公開されています。

見所

夏至祭(MIDSOMMAR)の内容

スウェーデンの田舎町ホルガで9日間開催される夏至祭(MIDSOMMAR)に参加する部外者の男女達。

常識の外で繰り広げられる、側からみれば狂気の沙汰と言わんばかりの内容も、昔からやっていた伝統だからとそれが当然、当たり前のような態度で接する住民に恐怖を感じていきます。

伏線や行っている行事に対して、いろんな深読みができる内容なので、是非ともじっくり見て欲しいですね。

閉鎖されたコミュニティの中で醸造された狂気を感じることができると思います。

明るいのどかな世界の中で繰り広げられる狂気性は、音楽と相まって通常のホラー映画とは異なる怖さを感じることができると思います。

家族というワードとコミュニティ

個人的にはこれが結構重要ではないかなと思います。

家族って、同じ環境下で長い時を過ごすため、考え方が似たりしてきませんか?
それもそのはず親の考え方が子に伝わっていくんですもの、似てきて当然です。
物に対する見方もそうだと思います。

劇中、家族というワードが何回か出てきますが、ホルガというコミュニティを一つの家族として見た時、非常にしっくりくる場面もありますし、怖さを感じるところもあると思います。

限られたコミュニティとしてどのように子孫を残していくか?という主人公達の問いに対する、住民の考え方も怖い。

賢者

主人公の心情の変化

不安症をもつ主人公・ダニーは、家族の不幸によってトラウマを持つようになります。

そのトラウマが、ホルガでのミッドサマーに参加することで彼女にどういった変化をもたらすのか。
住人達との接し方や祭りに対する考え方の変化を見ていくのも、面白いと思います。

感想

ネタバレ含みますよ。と先に注意

最初、タイトル見たときにSommarなのか???Summerじゃないの??と思いました。
どういう意味なんでしょうね?

最初の儀式アッテストゥパンで背筋が冷えましたわ。

だいたい予想はできていたのですが、その後の行動の方が異常すぎてひえってなります。

全体的に、映画のストーリーとしては予想しやすい内容だなと思い見ていましたが、やってることはその上を行ってくる感じですね。
やってることは異常だけど、怖さはそんなにないような気もする。

だけどコニーが○ぬところと、テリー(ダニーの妹)がふっと透過されたシーンが個人的に怖さを感じました。

意味深な映像表現が結構多いのが印象的でしたね。

ヘルシングランドに入っていくときに反転した映像を写し続け、町に入るときに正転する。
自分たちの世界とは異なった世界に突入したことを暗示させるような映像表現の仕方だったり。

最初はヤクをやってハイになったときの状態の自身から見える世界を見せる。
→女王を選んだ後のシーンでは花が呼吸したり、料理したものが動いたりと、不思議な映像シーンが出てきます。
住民も同じヤクを使っているので、全員が同じものを見ており、家族として取り込まれていくように表現しているのかな?という印象を受けました。

映像表現から物語を考察するのも面白そうです。

ラストのシーンがとても印象深く、私は

主人公のトラウマが解き放たれ、その身に狂気を宿し、ホルガの家族となった瞬間に見えました。

最後の生贄を身内から選び、儀式を行うことで元いた世界から解き放たれたことを意味するのではないかと思いました。
流れ的には裏切ったやつ選ぶのは当然だって思ってしまいますが・・・。

家族に先立たれ、トラウマを植え付けられ、孤独を感じていたダニー。
同じような経験をしたホルガ出身のペレはダニーのことを家族と呼ぶ。

ダニーは家族ということに惹かれているようにも見えましたね。

また、先述しましたが家族というコミュニティ・繋がりが一番気にかかりました。
コミュニティは皆家族ということを強調しており、住人達がみんなつながっているということを感じられるシーンがいくつかありました。

・爺が飛び降り苦しむシーン
・ダニーが苦しむシーン
・最後の生贄のシーン

これらシーン全て、住人達が苦しみを共有しているようにも見えます。
18年を1つの季節とし、4つの季節を経ることで、死を迎える

その住人が死ぬことによって、次の新しい命に転生する。(死んだものと同じ名前が新しい子につけられる)
ホルガの住人は全て根っこではつながっていることを意味する内容ではないのかなと思いました。

ダニーが祭りに対してずっと疑問や戸惑いを抱きつつも、次第に慣れていっていく。
観客も同じように慣れていき、感情移入がしやすいように作られているようにも感じました。

上映中にも感じましたが、なにか似たようなものがあったな、という印象を受けました。

シャイニングだ!!!

と思い至りました。
雰囲気がシャイニングに近いんですよね。

シャイニングは霊的な恐怖もありますが、狂気を宿していく人間の変化を見ていくことで感じる恐怖がメインです。
隔絶された穏やかな世界の中で、裏の世界?に取り込まれていくジャックが怖い。

ミッドサマーも同様、隔絶された穏やかな世界の中で狂気に触れ、蝕まれていく。
そこに一つの恐怖を感じます。

ディレクターズ・カット版(2020/03/14)

ディレクターズ・カット版見ました。

追加されたシーンは6~7でした。
追加シーンは、文字色反転して書いてます。
1ヶ月近くも前に見たのに、よく覚えてるなと感心しました。

・ヘルシングランドへの移動中の車内
・ホルガ到着後の食事シーン
・アッテストゥパン後のマークとの会話
・アッテストゥパン後のクリスチャンとマヤ
・池での儀式(儀式~ダニーとクリスチャンのケンカまで)
・おしっこの後の仲直り
・シヴがダニーを見るシーン←これ通常版にあったっけ?

個人的には追加シーンがなくてもちゃんと映画として成立するので、通常版を見ても問題ないかなと感じました。

1度見たあとに、公式ネタバレ解説を見て、ディレクターズ・カット版を見たので、また新鮮な目で見れたと思います。
追加シーンを見ることで、ペレがずっと前からヘルシングランド行きを仕込んでいたのかって思えるようなシーンだったのが印象的かなぁ。

ネタバレ解説見たあとに映画を見ると、ルーン文字が結構気になるので、ルーン文字がある程度わかった上で見れたら、良いですね。

今回最後の儀式のシーン、かなり爽快感を持って見れました。
なんでだろう?
音楽のせいかなぁ。

ペレの両親ってもしかして、生贄になったのかな。

最後に

光の中穏やかに狂気が進行していく映画ですが、考察好きにはおすすめです。

叫びたい恐怖とはまた違った恐怖を体験したい人はご覧あれ。

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